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【逃げ恥】全巻読んだ感想とかレビュー※若干のネタバレあり

移転しました。

こんにちは。
誰も望んでいないのに独身を貫く男、いぬがみです。

 
今更ですが、少し前にブームになった「逃げるは恥だが役に立つ」(通称:逃げ恥)を
全巻読んだので、感想を書きます。

 

ドラマ版じゃなくて、原作である「漫画」の感想です。
重大なネタバレはないので、ご安心ください。

 

実際に原作を読む前の「逃げ恥」の印象

僕はこの「逃げ恥」という作品の存在をドラマから知りました。
きっと僕みたいな人は多いと思います。

 

ドラマがあまりに話題になっていたから、「単にガッキーがかわいいだけじゃねえの?」とか、「奇をてらった恋愛モノ」、「星野源のカリスマ性」、「例のダンスがウケただけ」くらいにしか思っておらず、話の内容そのものにはあまり興味がありませんでした。

僕はヒネクレ者なので、「どうせ流行が流行を呼んでるだけだろ」と冷めた印象を持っておらず、あえてドラマは見ていませんでした(こういう奴って、嫌われるよね)。

 

漫画版「逃げ恥」を読んだ感想

こんな感じでずっと「逃げ恥」はスルーしていましたが、ふとしたきっかけで原作を読んでみました。

 

率直に言うと、クッソ面白かった。


そりゃ人気も出るわ。
ちょっとドラマも見たくなってしまった(華麗な手のひら返し)。
食わず嫌いってホントよくないですね。反省。

 

「逃げ恥」ってどんな話?

逃げ恥は、大学院を卒業して派遣社員になった森山みくりという女性が主人公。
妄想癖があり、自分の都合のいいように物事を解釈しがちだが、仕事を効率よく進めたり、工夫することが得意で、人がすぐには思いつかない発想やアイディアを生み出すことできる女性です。


物語は彼女が派遣切りに遭ったところから始まります。
就職先を探していた彼女は、父の紹介で家事代行サービスの仕事をすることになる。
仕事先は、父の元部下である津崎平匡(ひらまさ)という男性で、システムエンジニアとして働いている。

 

彼は最近日本で急増した、いわゆる典型的な「草食系男子」。
年齢=童貞で、他人との間に心の壁を作りがちの気難しい理系男子です。
しかし、みくりとは適度な距離感を保ちながら良好な関係を築くことができた。

 

家事代行サービスの仕事は順調に続けていたが、父からから定年を機に田舎へ引っ越したいという話をもちかけられる。

 

現状を維持したいみくりは、津崎に「就職としての結婚」を提案し、その提案にメリットを感じた津崎は了承することになり、
2人は「雇用主と従業員」という関係の契約結婚をする。

 

いわゆる「仮面夫婦」であり、最初はお互いよそよそしかったが、徐々に2人の間に本物の恋愛感情が芽生えていくというお話。

 

やたらリアルで、色々と考えさせられる。

あらすじだけ読むと「一風変わった恋愛漫画」くらいにしか思えないかもしれませんが、ただの恋愛漫画じゃありませんよ、これ。

 

もちろん恋愛がメインですが、働き方、ジャンダー、夫婦のなど、あらゆるテーマがギュッと詰まっています。あと、ギャグも個人的に結構好きです。
かなり濃厚なテーマがギュッと詰まっており、読みごたえがあります。


また、登場人物の性格やキャラ同士の会話がやたらリアルで、色々と考えさせられます。自分の考え方に近いという意味で、印象的に残っているのは風見さんですね。

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最近、こういう人多くないですか?笑


僕はあまり結婚をメリット・デメリットで考えたことはありませんが、彼のようにあまり結婚に必要を感じないタイプです。
ただ、そんな僕でもこの漫画を読んだ後、めっちゃ結婚について真剣に考えるようになりました。
逃げ恥の影響力、恐るべし(もしかしたら僕が単純なだけかもしれないけど)。

 

「夫婦は共同最高経営責任者である」という考え方が素敵

たとえ最高のパートナーに出会うことができ、夫婦がお互いにやりがいのある仕事に就けたとしても、はい、それでゴールというわけじゃありませんよね。

 

良好な関係を維持し、幸せな家庭を築いていくためには家族を「経営」していかなくてならない、という津崎さんの考え方は素敵です。

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収入は夫に依存し、家事は妻に任せっきりという関係ではなく、自立した大人同士が共に歩み寄り、お互いを尊重しながらお互いの幸せを考える。

 

もちろんそれは容易なことではないけど、これからの時代はこういった夫婦関係が理想像になっていく気がします。

 

僕の父なんてひどいですから。
典型的な昭和脳で、自分は仕事さえしていればいいと信じています。家事は母に任せっきりで、母がいないと一人ではなにもできません。

こういう関係ってすごい危険だと思いませんか?もしどちらかが先にいなくなったらどうするんだろう。

まあ父の方は生命保険に入ってるけど。
でも高い保険料払うよりは、お互いに収入があって家事をできるようにしておくことでリスクを分散させた方がお得じゃね?と思います。

 

「結婚」=「幸せ」?

結婚が直接「幸せ」に結びつくことはなく、どちらかといえば煩わしいことのほうが多いかもしなれない。結婚したことないからわからんけど。

 

でも、津崎さんとみくりさんのやり取りを見ていると、ちょっと結婚もいいかなという気持ちにさせてくれます。

 

特に、

「安心って、実は人が与えてくれるものなんだって思ったんですよ」

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とか、

 

「人と関わると無自覚に人を傷つけたり傷つくけられたり。逆に無自覚な言葉で人を救ったり救われたりする」

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こういったセリフは印象的ですね。

 

いや~流石にこの時ばかりは「結婚してぇぇぇ!!」と思いましたね。
この僕が、ですよ(どの僕が、だ)?
今後も逃げ恥みたいな漫画が爆発的に流行れば、少子化が止まるかもしれませんね。


まあでも、僕の現在の絶望的な経済状況では結婚はおろか、恋人すら作る余裕がありませんが(血涙)。
だから、「逃げ恥」を読むことでやたらパートナーが欲しくなったけど、今の僕には毒だったかもしれない。

 

 

うん、これは作品の感想には全く関係ないことでした。
すいません。

 


9巻でコンパクトにまとまっているし、ストーリー展開もテンポが良くて読みやすいです。結婚に消極的になっている人に是非読んでもらいたいですね。